教えて!食の王子様!
今月の王子!
信州ファーム荻原 農場長
萩原昌真 さん
信州ファーム荻原農場長であり、今の『農業ブーム』の火付け役であるイケメン農家・萩原昌真さん30歳。実にさわやかな農場長!農業をもっと身近に感じてほしいとの思いからファーム・コミュニケーションマガジン『アグリズム』を創刊。編集長も務める。

「もしよかったら、稲刈りを体験させて頂けませんか?」そんな私の我がままを快く引き受けて下さった荻原さん。このようにして、我々家族は、9月26日、長野県にある荻原ファームに行くことになったの! イベント好きの家族は大喜びよ! それも稲刈りができるなんて! ワクワクしてその日を待ったわ! 
稲刈り当日、着替えをしている娘たちに向かって私は言ったわ。「長野は寒いんだから、そんな薄着じゃなくて、もっと暖かくしていきなさい!」私の中で長野県ていったら、『遠くて寒い』というイメージ。東京でさえ、もう半袖では肌寒いんだから、長野の寒さは半端じゃないはず! 自らも裏起毛付きトレーナーを着込み、さぁ、長野に向けて出発よ!
道中、子供たちは車内で「暑い! 暑い!」を連発して、着てきたトレーナーを脱ぎ捨てていたわ。

家を出てから、3時間足らずで、荻原ファームに到着。なんだ、長野って、結構近いじゃない?「さぁ、降りるから、トレーナーを着なさい!」そう言う私に、「暑い! 暑い!」と大ブーイングの娘たち。 「ダメよ!ここは長野なんだから! ドアを開ければ、外はすごい寒さなのよ!」渋々トレーナーを着込む娘たち。しかし、ドアを開けても・・・「ママ! 暑いよ! 全然寒くないじゃん!」 えぇ? やだ、長野って全然寒くないじゃない?

「よくいらっしゃいました〜」と荻原さん。あら? 作業服姿の荻原さん、この間、東京で会った時のスーツ姿とは、全然イメージが違うわ。でも、スーツ姿もステキだけど、作業服姿の方が何とも男らしくて、カッコいいわ。荻原さんが「今、ちょっとやってしまいたい作業が後少しで終わるので、終わるまで少し待っていてもらってもいいですか?」そうおっしゃったので、私たちは荻原ファームの周辺を散歩しながら、待たせてもらうことに。目の前には、のどかな田園風景が広がっていたわ。重そうに頭を垂れた稲が、風が吹くたび、ザワザワと揺れる・・・いや〜ん、夏の青々とした田んぼもいいけど、収穫を迎えたこの時期の田んぼも、すごくいいものだわね〜

いよいよ黄金色に輝く田んぼへ

「作業も終わりましたから、今から田んぼに行きましょう! お昼は、今日精米したばかりの新米のおにぎりを用意しましたから、それを向こうに着いたら食べましょう!」えーー? 嬉しい!
私たちは車に乗って、少し離れた田んぼに連れて行ってもらうことに。荻原ファームの田んぼは長野県の5市町に点在しているそうで、その広さは、東京ドーム10個分というから半端じゃないわ。でも、田んぼが離れていると、行ったりするのに面倒臭そうだけど・・・。すると荻原さんが説明してくれたわ。「場所を一箇所に絞らない方が、田植えや収穫の時期を上手くずらすことができるメリットがあるんですよね〜」なるほどね。
「さぁ、まずお昼にしましょう!」荻原ファームの人たちと一緒にたわわに実った稲を見ながら、獲れたてのお米で作った塩むすびと自家製肉じゃがとお漬物を頂く。前に荻原さんは言っていたっけ。「美味しいお米は塩結びが一番うまい!」その言葉は本当だったわ。噛むたびに、お米の中からどんどん甘みが出てきて、そこにほのかな塩気が加わり、口いっぱいに米のうまみが広がってゆくの。夫も子供たちも、美味しい、美味しいと、最高の笑顔で頬張っていたわ。 

人生初の稲刈りは・・・

満腹になったところで、いよいよ待ちにまった稲刈りよ。荻原さんが説明してくれる。
「うちはコンバインで稲を刈るんだけど、田んぼの四隅、コンバインが入る箇所と曲がる箇所だけは、先に手で稲を刈らないといけないんで、カータンさん家族には、その場所を刈ってもらいますね。あんまりたくさん刈るもの、疲れますしね、この四隅で稲刈り体験は結構十分だったりしますから・・・」
「親指を上にして稲の根元を持ち、鎌を手前に一回で引く! やってみてください」
いやだ、面白いように刈れるわ! 次から次へとスムーズに刈れるものだから、私なんか「もーこんな四隅だけじゃなくて、私たち家族にこの田んぼ全部、手で刈らせてくれればいいのに」なんて思ってたわ。でも・・・やっぱり荻原さんの言う通りだった。すごい重労働に、早くも汗ダクダクの腰ガクガク。
それにしても暑い! 暑い! なんたって、私裏起毛付きトレーナー着てきたもんで・・・。「カータンさん、その格好は、いくら何でも暑すぎですよ〜」汗ダクダクの私を見て、荻原さんは苦笑した。それに同じく苦笑するしかない私。だって! これ脱いだからブラ一枚。まさか、いくら暑いからといって、ブラ1枚で稲刈りは出来ないわよね・・・そんな姿見たら、カラスだって逃げ出しそうよ!

いよいよコンバインが田んぼに入った。長女との勉強の知識をここで披露してみる私。
「コンバインって、高いんですよね? だから、農家が共同で買う場合が多いんですよね」
「そうですね。コンバインは高いからね。でも、共同で買うと、自分のものではないって意識からあまり大切に使われないんですtoよ。なので、うちは会社所有なんですけど、1300万円はするんですよね・・・それが大切に使っても6年です。」ヒーーー! 余裕で高級車、買えちゃうじゃない?

農業青年は最高にカッコよかった!

「この田んぼで収穫したお米は無農薬米なんですよ。無農薬米を始めた最初の年は、ボロボロでしてね。半ば壊滅状態の不恰好な田んぼを見て、周りの農家の人から「何なんだ、これは?」と散々聞かれましたよ。もうね、「あっ、これパフォーマンスですから〜」と答えるしかなかったですね・・・」
そんな荻原さんだが、今、この田んぼを見る限り、どこも欠けることもなく、見事に実った稲。農薬を使わずにこれだけ立派に育てるのは、すごい労力が必要でしょ?
「いいえ・・・環境作りが整ったら、病気にならない苗を作ればいいんですよ。虫に食われても、それを跳ね除けるくらい元気な苗。稲も人間と一緒です。健康な人は、風邪を引きづらいし、仮に風邪を引いたとしても長引かない、そんな苗を作ればいいんです」

コンバインで刈り取られた稲が、次々に籾に姿を変え、トラックの荷台に積まれていく。その籾を手に取り、パラパラと確認しながら、荻原さんは言ったわ。
「無農薬米は手間が掛かると敬遠されてきたけど、僕ら若者の無農薬米に挑む『もがき』が、低コスト、大量生産に繋がったら、いつか無農薬米が当たり前の時代がやってくると思んですよ。そうです、今、ハイブリッド車は珍しいですけど、そのうちハイブリッド車が当たり前になる日がやってくるみたいにね」
収穫を終え、すっかり刈り取られた田んぼを眺めながら、そう語る荻原さんの笑顔は、最高にカッコよかったわ!

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荻原さん、稲刈りに伺わせて頂いた際は、どうもありがとうございました。
荻原さんのところで収穫された美味しい「やえはら舞」を頂きながら、今日もあの信州の地で汗を流し、農業に取り組む荻原ファームの皆さんの笑顔が浮かんできます。
カータン

東京都在住。元客室乗務員で、現在は11歳と3歳の娘さん、ご主人の4人家族。抱腹絶倒の主婦ライフをつづった『あたし・主婦の頭の中』でJapan Blog Award2008で総合グランプリ獲得。同名の著書も好評発売中!

1歳のお子さんがいながら、お米を注文して下ったお客様には、手書きのお礼の手紙を添えるという奥様も優しくてステキな方ですね。たった3時間で行かれることがわかったので、来年も田んぼの四隅刈りに行ってもいいですか? 今度は薄着で伺いますから!
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